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なけなしの金溶かして候
パチスロがやめられない。いわゆるギャンブル依存症というやつだ。支払いに必要な金まで溶かしてしまう。
魅惑のスロット台にすわる。500ゲームハマっている。そろそろ出るだろう。
と、思い一万円をコインサンドに投入してコインを買う。またたく間に消える。すぐ1000ゲーム到達。財布の中に金はない。
隣の台はたくさんあたっている。さっきまで空き台だった。
なぜ座れなかったのか?そもそもなぜ毎回毎回私の座る台は当たらないのか?
疑問。後悔、自責の念が襲う。
ならやめれば良い。しかし繰り返す。布団の中でも頭の中で勝負している。
苦しい。とても苦しいアルコール依存や薬物依存の人もこの苦しみを感じているのだろうか?
金が無いということは、生活が成立しないということだ。
米びつに米がない。冷蔵庫は空気を冷やしている。水を飲み。30円のチョコをかじっている。
私は友人たちに言った。「オレに金を貸すな」と。
借り手の自分はそのままパチスロを打つ。貸し手への返済に保証がない。だから双方不幸になる。
飢えることにしたのだ。健康的ではないが痩せて細りすればあるいみ体の負担も減るかもしれない。
金が無い。家の電気は止まった。ガスと水道は生きている。沈黙する部屋の中で。死んだオヤジと祖父母が切ない顔でこちらを見ている夢をみた。
あの世へ行っても心配をかけさせるとは孝行なのか不孝なのか。
しずかに夜が更けていった。
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