◆第四章◆

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『約束?何のこと私は知らない・・・』 携帯の着信音が響く。携帯は何故かポケットに入っていた。 携帯電話に出る。 『もしもし・・・』 聞こえたのは私の声だった。だれかと話しててるらしい。 『孝一と思い出の場所に明日いけるんだね。昨日から楽しみにしてるんだよ・・・孝一聞いてる?明日検査の結果でるんだって。最近検査ばっかりで嫌になっちゃう・・・私あとどれくらい生きれるんかな』私は泣きそうな表情をしていた。 私はここにいるのにこの私は誰なんだろう。『孝一はあの夜の事覚えてないの?』 もう一人の私が言った。 『何をいってるかわからないよ、私は由紀子だよ。貴方こそ、誰なの?』 『忘れちゃってるんだね。貴方は杉谷孝一で中にいるのは私の記憶。あの夜孝一が来るのを楽しみに待っていたけど、検査の結果は最悪だった。もう長く無いって。夜の観覧車一緒に見ようって孝一と約束したのに病院から出るのをとめられちゃって。孝一は中止にしようっていったのに私のわがままで夜連れだしてもらったのに・・・事故にあっちゃって孝一は大怪我しちゃって。結局一緒に観覧車は見ていない。孝一は自分を責めた。孝一に由紀子の記憶が入っているから自分が由紀子だって
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