◆第六章◆

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事故にあって以来久しぶりの学校だった。 由紀子も孝一と同じ高校に通っていた。 高校の制服を来て、登校するとは思わなかった。 『孝一~!!』 校門をくぐると孝一の友達が話かけてきた。『もう良くなったのかよ!久しぶり』ぽんっと肩を叩いた。 孝一の友達の中野君だった。 『うん、昨日退院したんだ』 中野君と話して靴を下駄箱にいれているときギュッと抱き締められたびっくりして振り返ると孝一よりちいさな女の子だった。 『退院したんだね、おかえり』 誰だかわからないけど、孝一の知り合いらしい。 『美香~あんまりうれしいからって抱きつくなよ』中野君が冷やかす。 『だってさ~ずっと会えなかったじゃない孝一と』 孝一とはどんな関係なんだろう。なんか気になった。 教室に行くまで左手にべったりとくっついていた。 『孝一は良いよなモテモテで~(笑)美香もうお前教室帰れよ』 中野君が美香さんにそう伝える 『えーもっと話たいのに~佳佑のケチ』 不満そうに教室を出て行った。 中野君に孝一と美香さんの関係を聞いてみた。美香さんと孝一と中野君は幼なじみで、美香さんは孝一にぞっこんらしい。で、今は中野君と付き合っているみたいだ。 『美香のやつ(笑)お前が入院してる時に付き合ったんだ。付き合ってまだ2ヶ月かな。美香のやつワガママで手が焼けるよ(笑)』中野君は愚痴を言ってるけど顔はうれしそうだった。 朝礼を知らせるチャイムが鳴る 教室に急いで入る。 孝一の事をあんまり知らなかったけど、なんか少しわかって嬉しかった。
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