◆第二章◆

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私が目覚めた時は病院のベッドの上だった。目をゆっくりと開ける、太陽の光が眩しい。それに消毒液の独特な匂い、腕や頭に巻かれた包帯。ここが病院だってすぐにわかった。看護婦さんが私に話かけてきた。『気が付いたのね』看護婦さんの笑顔に反応も出来ずにぼーっとしていた。一体私に何が・・・。 ガラガラ ドアが空いて母さんが私を抱き締めた。 『本当に良かった、由紀子までいなくなってしまうかと思った・・・』涙を流しながら母さんは抱き締めてはなさなかった。 5日も意識がなかったらしい。体中が痛い、ベッドから起き上がるのが出来ないみたい。事故・・・。 『ねぇ、孝一は?大丈夫なの?怪我とか?』母の表情が変わった。嘘。 孝一が死んだなんて。そんなの嘘だ。
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