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「だったら、試してみればいい。
俺、絶対、佐山に俺のこと好きにさせて
みせるから」
何、この自信!?
この俺様なところが私は嫌いなのよ。
「無理!
私は好きじゃない人とは付き合わないの」
私がきっぱりそう言うと、柏崎は私の頭をわしゃわしゃと撫で回した。
「くくっ
佐山ならそう言うと思った。
なら、俺はそのままの佐山を振り向かせて
みせるから、覚悟しとけよ?」
そう言った柏崎はくしゃくしゃになった私の髪を再び丁寧に整えてくれる。
そのまま踵を返した彼は、何事もなかったかのように、また片付けに戻った。
私はコンペ前、密かに彼に負けられない戦いを挑んだのに、あっさり彼に取り込まれてしまった。
そして今また、私と彼との間には、別の負けられない戦いの幕が切って落とされたのだ。
今度こそ、負けるわけにはいかない。
大丈夫。
私がこんな最低男を好きになるわけがない。
だけど……
あいつは、本当に私のこと、好きなの?
本当だとしたら、あいつは、私のどこを好きになったんだろう?
気になるけど……
あいつに聞くのは癪に障るし……
ああ!
なんか、モヤモヤする!
全部、柏崎のせいだよ、全く!!
─── Fin. ───
感想・ページコメント
楽しみにしています。
ぜひ一言お寄せください。
スピンオフ(ヒーロー目線)
『君が君だから俺は君に愛を告げる』
https://estar.jp/novels/25649978
もあります。
よろしければ、そちらもどうぞ💕
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