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「俺」視点
これは、俺に彼女ができる前のお話。
「なぁ、知ってる?」
放課中、いつもつるんでるやつに突然言われた。
「あ?なにが?今日の給食?」
めんどそうな口調で言うが、俺はちゃんと笑顔だ。
「ちげーよっ!ケシゴムにな、好きな人の名前を書いて、1週間誰にもバレんかったら、恋がかなうっておまじないがあるんだってさ。」
「……ふ~ん、。」
あの子の顔がふと思い浮かんだが、興味のないふりをした。
誰にも教えたことはないし、言えない…。
「あ、お前興味ないなぁ⁉」
「ん~?」
適当にはぐらかすと、
「…だってさ~!」
後ろである女子の声がした。
「えぇ…やらないよ~…。」
返事の声は、あの子だ。
「まぁそうだよねぇ。」
そちらに集中して耳を傾ける。
…好きな人、いるってこと、かな…。
誰だろ、誰、だろ…。
知りたい。けど、…。
知りたくない。
…知りたくない。
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