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「おしっ、お前らわかってんじゃん。ほら、さっさと会計済ませて次、行くぞっ。」
俺が言うと、
「えー、俺はそろそろ…」
「俺もちょっと…」
ったく、しゃあねぇな。
「ちげぇよ、コンビニ寄ってジャンプと酒買って帰るぞ。」
「マジで?」
「ヤバ…」
お前ら、敬語…どーしたよ。
まっ、いっか。
どこか憎めない顔した後輩たちに声を掛ける。
「そうそう、最後に一つだけ、」
ーーーー社会人たるもの、財布以外にも必ずどこかに予備の金は入れとけ。
「了解っす。」
「うぃっす。」
わかってんのか、こいつら。
まっ、いっか。
結果として金がなかったお陰でこいつらの本音、少しは聞けたし…
心をぎゅいーーんって鷲掴み…はまたの機会にってことで。
よし、明日も仕事だ。
頑張るとするか。
俺は手にしたスマホを握りしめ今度こそ会計へと向かった。
お金が…ない!
終
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