お金が足りない

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 アパートに帰ると、買ってきた物を戸棚や冷蔵庫にしまい、お湯を沸かした。カップラーメンの準備をする。夕方まで寝てしまったので、朝から何も食べていない。おにぎりも食べる。炭水化物+炭水化物なので、野菜ジュースも買った。1リットルの紙パックなので何日かもつだろう。 お湯が沸いたので、カップラーメンに注ぐとキッチンタイマーをセットし、しばし待つ。  待ってる間に、シフト表で休みを確認した。私の仕事は販売なので、休日が決まっておらず、働いているメンバーが交替で順番に休む。 「次の休みは3日後か…… 」 スマホを出して、ショートメールに予定を入れて弥生ちゃんに送った。 「何人で集まるのかな。家に呼んで、持ち寄りにしてもらおうか…… 」 うん、それはいい案だ。金欠だからその方が助かる。メールで提案してみた。 タイマーが鳴ったので止めた。 「いただきます! 」 ズルズルとすすりながら食べてる最中に返信が来た。 弥生ちゃんが何人かに声をかけると、書いてあった。 「皆、こっちに住んでるの?私の勤務が不規則だから全然会わない。」  私の実家は徒歩10分の距離にある。妹が一人暮らしをしたいと言った時、両親は一人はダメだと認めてもらえなかった。私を説得し始めた妹に引きずられるようにして、一緒に家を出た。実家の近くにアパートを借りるのもどうかと思ったが、妹はそれなりに楽しんでいたようだ。その妹が結婚した今、実家へ戻るのも面倒くさい。既に兄が結婚して父親と同居をしているのだから帰りづらいのもある。 最悪、戻るかも知れないが…… 「イヤイヤ、結婚してからここを出たいよーー!」 一人、決意を呟いた。
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