お金がないって

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お金がないって

 それでも夕方になると、弥生ちゃんの携帯に実家から連絡が入り、安奈ちゃんも、子供が帰ってくる時間だからと帰って行った。帰る直前、玄関で安奈ちゃんから名刺を渡された。金欠解消のバイトをしないかと誘われたのだ。安奈ちゃんは経営者らしい…… 私は社員で働いているけど、バイト代を当日に払うからと言われ、その誘惑に勝てず明日の休みに行くことにした。 梓に、 「お姉ちゃん、バイトの内容聞いたの?」 「……!? 」 「安奈さんの話だと、夜のお店みたいだったよ 」 「……!!」 私は、全く話を聞いてなかったようだ。どうしよう…… 「体験入店みたいだし、お姉ちゃん金欠だからね。行ってみたら? 」 梓はさっさと、お風呂の用意をしたり、夕飯の支度(したく)を始めた。 私は、陸を抱っこしながら、 「所で、旦那さんに連絡したの? 」 「泊まるとは言ってないけどね。後で連絡する 」 「何があったの? 」 梓は呆れたように、 「お姉ちゃんは、本当に何にも聞いてないんだね。旦那と一緒!! 」 と言って、プンスカしている。 もしかして、旦那さんが話をちゃんと聞いてくれない事に怒ってる……!? 私は、旦那と一緒なの!? 確かに同い年だけど……
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