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「まあ、元気出しなって。あんたが白雪姫をぶっ殺したところで、何にも変わりゃしないから。すぐにまた第二第三の美人が現れる。他人を排除すれば自分の価値が上がると思ってるうちは、いつまでたっても醜いままだ。まずその心が美しくないからな」
「うっ……」
王妃は何も言えなくなりました。
「まあ眉間に深いシワ寄せて。あたしがあんたをババアと言うのは、何も年寄りだからじゃないんだよ。わかるか? 中身の問題」
しばらくの間、二人の間に沈黙が流れました。
「……終わりだ。もう何もかも終わりだわ!」
王妃が突然恐ろしげに叫びました。そして一体何を思ったのか、目の前の毒リンゴを再び掴み取ると、今度は自分の口に入れようとしたのです。
「早まるなババア! お前ら今だ! 捕まえろ!」
偽白雪が叫ぶと、突然小屋の窓や扉が開き、小人たちが一斉に飛び込んできました。彼らは王妃を手際よく取り押さえると、紐で手足を縛り上げてしまいました。
「白雪姫……の、偽物さん。コレ、どうします?」
小人の一人が言いました。
「とりあえず城に連行する。馬、貸してくれないか?」
偽白雪はそう言うと、縛られた王妃を担ぎ上げ、馬の背中に乗せると、お城に連れて行ってしまいました。
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