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突然、今まで聞いた事のないような轟音が城壁全体に響き渡った。
その轟音に敵は疎か、味方すら驚いていた。
更に爆発により、城壁の前に空高く煙が舞い上がった。
後から聞いた話だと、ベルーサ公がアブダビの商人から買った火薬なる物で火をつけると恐るべき爆発をするのだとか。
確かにその効果はあった。
城壁を登っていた王都兵は全滅。
皆、堀に張られた水の中にいた。
それにしても準備が良すぎた。
もしかしたら、この火薬は私達に使う為の物だっのかもしれない。
ベルーサ公には反旗を翻す程の野心と才があるのだから……
しかし、今は味方だ。
こんなにも心強い味方はいない。
「よぉし。この気を逃すな。“咆哮”用意っ!」
ベルーサ公は私に向け、次の指示を与えた。
彼の掛け声の元、私は打ち合わせ通りに城壁から天高く立ち篭る煙の中へと入っていった。
それを高台から確認したベルーサ公は私に合図を送った。
「グォォォオオオオオッ!!!!」
私は腹から思いっきし鳴いた。
ドラゴンの咆哮を………
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