第10話 バームの反乱

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私はわざと情報を流した意図を聞きたかった。 「確かに情報は流した。しかし、にだ。この風聞は後々、生かされることになる」 ベルーサ公は情報を流したことを素直に認めはしたが、理由までは教えてくれなかった。 「とにかく今はこの策は教えられない。だがこれが後々に勝つ方向に向かう。それまではどこか静かな場所で力を溜めておいて下さい」 ベルーサ公は私を必要としているが、今は隠しておきたい様だ。 ――ここで反論しても無意味のようね。 「分かったわ。あなたに従います。だけどこれだけはお願い」 私は、了承すると共にある条件を突きつけた。 「初戦だけは見学させて頂戴。前線には出ず、大人しくしてるから」 私はベルーサ公の軍略を見たかった。 こんな機会は滅多にない。 するとベルーサ公は反対するどころかニヤリとほくそ笑んだ。 「だったら、少しだけ手伝って頂きましょう」 その後、ベルーサ公はヤーケン城の防についての策を提示した。 大広間にいた者は皆、息を飲んだ。 しかし室内は不穏な空気が流れた。 勝てるいう確証を得たというより、これで勝てるかどうか不安が募った。 かく言う私もそうであった。 しかし今はヴァルミア随一の軍略家を信じるしかなかった。
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