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しばらく二万の王都軍を眺めていると、一人の男が上がってきた。
ベルーサ公だ。
「おはよう。竜騎士殿」
「おはようございます。ベルーサ公」
「いい朝だ」
「そうですね」
「絶好の戦日和だ」
ベルーサ公は私と同様、二万の王都軍を眺めて言った。
私は彼の作戦にまだ懐疑的であった。
策と言えばれっきとした策なのだが、あれはどちらかと言えば、奇策に近い。
それでもベルーサ公から漂う気迫は他の諸侯よりも比べならない程、満ち満ちていた。
「負ける気はしないな 」
彼は二万の大軍に恐れるどころか、満面の笑みを浮かべてみせた。
その余裕はどこから来るのか。
余程、自分の策略に自信を持っているのだろう。
兎に角、今はベルーサ公を信じるしかない。
「お手並み拝見といきましょう」
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