第10話 バームの反乱

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しばらく二万の王都軍を眺めていると、一人の男が上がってきた。 ベルーサ公だ。 「おはよう。竜騎士殿」 「おはようございます。ベルーサ公」 「いい朝だ」 「そうですね」 「絶好の戦日和だ」 ベルーサ公は私と同様、二万の王都軍を眺めて言った。 私は彼の作戦にまだ懐疑的であった。 策と言えばれっきとした策なのだが、あれはどちらかと言えば、奇策に近い。 それでもベルーサ公から漂う気迫は他の諸侯よりも比べならない程、満ち満ちていた。 「負ける気はしないな 」 彼は二万の大軍に恐れるどころか、満面の笑みを浮かべてみせた。 その余裕はどこから来るのか。 余程、自分の策略に自信を持っているのだろう。 兎に角、今はベルーサ公を信じるしかない。 「お手並み拝見といきましょう」
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