第10話 バームの反乱

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私は止めるまで咆哮を鳴り続けた。 果たしてこれが勝つ為の策になるのか。 ベルーサ公は煙と轟音でドラゴンの演出をして見せた。 正直、竜に変身すれば良いだけの話になるのだが、それをベルーサ公は許さなかった。 しばらく雄叫びを浴びせ、終わりの合図が出ると、私は煙の外に出てみた。 すると思いがけない物を目撃した。 遠くに布陣していた王都兵が瞬く間に逃散して行っているのだ。 後方にいた兵達は姿を見せない何かに怯えていた。 今まで聞いた事のないような音と、それにより前方の兵達は全滅。 仕上げに竜の咆哮で恐怖は頂点に達した。 「姿形は見せずとも火と煙。そして聞いた事のないような声。これだけで竜の演出は充分だ」 ベルーサ公の読みは当たった。 しかし、これで終わった訳では無い。 前方にいる敵も竜の咆哮で戦意を失っていた。 「我に続けぇ!!」 ヤーケン城の城門が開き、サー・ガーラント率いる突撃部隊が討って出た。 近くにいた王都軍は壊滅。 兵達は瞬く間に退却して行った。 初日は我らの勝利に終わった。
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