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エッジスはそう言うと、一人の覆面の部下に目を向けた。
膝まづいてた覆面はスっと立ち上がると、覆面の脱ぎ、黒の服も脱ぎ捨てた。
そこに現れたのは一人の若い女性であった。
しかも露出の多く、少し透けてる肌着を着ており、まるで娼婦の様な格好をしていた。
「長は重要案件以外は表には出ないが、城を出て街に繰り出す時がある。彼女に会う時だ」
エッジスは彼女を見ながら、ハーネスの弱点を教えた。
「偽名だが彼女はミルルという。長にとってミルルはお気に入りの娼婦だ。二日に一夜、夜な夜な娼館に来てはミルルを抱く。今夜も恐らくそうだ」
「まさかとは思うけど、彼女はその為に準備をしてきたというの?」
「ああ、閣下はいずれ長を始末する任を与えると言っていた。その時の為に準備をしておけと」
恐れ入った。
エッジスにとってハーネスは育ての親も同然。
しかしその親を殺すために、そして入念に準備をしていた。
――これが暗殺者というものなの………
私は彼ら暗殺者集団の気迫に押されかけていた。
そして、かつてはエッジスを従えてたジャガの一族の長ハーネスとの対峙に身震いがし始めた。
ドラゴンスレイヤーの技を持つと言われるジャガの一族の長。
女が弱点だと聞いたが、その力は依然として未知数だ。
私はハーネスが現れるか否かよりも、彼を倒せるか否かで頭が一杯になった。
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