第13話 戦に勝つ秘訣 

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ロレント公の居城、巨鯨城のすぐ近くに大きな街がある。 そこに『麗しの薔薇』と呼ばれる娼館があった。 そこに今夜の標的であるジャガの一族の長、ハーネスがやって来る。 私達は客を装い、ミルルのいる部屋へと入っていった。 娼館への道すがら、エッジスは言った。 「部屋は差程に大きくない。ベッドとクローゼットがあるのみだ。大勢で隠れたら、殺気ですぐに気付かれてしまう」 部屋に入ったが確かにエッジスの言う通りだ。 部屋は一人用の広さで、あるのはクローゼットとベッドのみであった。 そこで私達は三方に分かれることにした。 クローゼットには私が入り、ベッドの下にはエッジスが。 残りは両脇の部屋に待機となった。 尚、既にエッジスが宿の主に大金を支払ってたおいたので、部屋は貸切状態となっている。 もしも、私とエッジスでハーネスに手こずった場合、彼らがベランダのバルコニーから侵入する手筈となっている。 準備が整い、後は標的が来るのを待つだけだ。 そして待つこと30分後……… ミルルが一人の老人を腕を組みながら部屋に入ってきた。 クローゼットの隙間から私は老人をそっと覗いて見た。 頭は白髪で覆われていたが、顔やが体格は衰えてはいなかった。 老人というよりは中年の男性に近い。 そして、どこかあの男の面影を感じた。 一度、戦ったジャガのジェームズに…… あれが“ジャガの一族”の長、ハーネスの姿であった。
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