103人が本棚に入れています
本棚に追加
/308ページ
「閣下ぁ、お待ち申しておりましたァ。ミルル、とっても寂しゅうございましたァ」
ミルルは猫なで声でハーネスの身体をいやらしく触り始めた。
「悪かったな。ここ最近、主の周りが騒がしくてな。お前にも寂しい思いをさせてしまった」
ハーネスはミルルに謝りながら、彼女のお尻を鷲掴みにした。
「いやん、閣下ったらぁ」
「ミルル。わしの疲れをお前で発散させてくれ」
ハーネスはミルルの身体を愛撫しつつ、彼女をベッドに押し倒した。
今、奴はクローゼットに背を向けている。
倒すなら今しかない。
そう意気込んだ瞬間だった。
「だが、それもできなくなった様だ」
――えっ?
それは一瞬の出来事だった。
突然、一つのナイフがクローゼット目掛けて飛んできた。
私はすぐにクローゼットを閉じようとした。
しかし時すでに遅し……
――うっ!
ナイフは心臓部分に命中した。
だが、鎖帷子を装着しておいたので奥深くまで刺されることはなく、衝撃で声が出てしまったに過ぎなかった。
それでもハーネスに気付かれてしまった事には変わりはない。
「いるのは分かっている。さっさとクローゼットから出てこい」
ハーネスの言葉に私は観念し、ゆっくりとクローゼットを開けて出てきた。
そこには既にナイフで一刺しされたミルルと、彼女を刺したハーネスが余裕の笑みで立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!