秘密の日記

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今日は、はりねずみのトミーは森をあてもなくお散歩中です。 とことこ歩いていると一冊のノートが落ちていました。 「なんだろう?」 なんとなく気になった、はりねずみのトミーはノートを拾い、中を見てみることにしました。 すると、誰かが書いた日記でした。 「日記だ。読んでも大丈夫かなあ?」 少し悩みましたが、気にまってしまい、木陰に座ってページをめくります。 書かれている内容は、トミーのことやハスキーのカイのこと、シャム猫のルカのことが書いてありました。 中でも一番書かれている内容は、白鳥のアイルに対しての想いでした。 「これ…もしかしてレンくんの?」 セキレイのレンの名前が出てこないので、トミーは気付きました。 「レンくん、アイルさんのこと好きなんだ」 なんだか恥ずかしくなってしまったトミーはノートを閉じました。 するとセキレイのレンが、一生懸命何かを探しながら歩いてきます。 「確かこの辺だったと思うんだけど…」 独り言を言いながら、あちらこちらを見ています。 そして、レンはトミーに気付きました。 そしてノートにも。 「あ、レンくん…」 トミーは、なんて声をかけていいかわかりません。 「トミーくん、そのノートの中、読んだ?」 トミーは素直に頷き、「少しだけ」と言いました。 レンは、恥ずかしそうにノートを受け取り、しばらく無言が続きました。 「トミーくん、誰にも言わないで欲しいんだ」 レンは俯きながら言います。 トミーは「もちろん誰にも言わないよ。」と約束しました。 「たまにアイルさんのことで相談していい?」とレンは遠慮がちに聞きます。 「ぼくにできることなら力になるよ!」とトミーは言います。 レンは「ありがとう」とノートを大切そうに抱きしめ帰っていきました。 「もっとアイルさんとレンくんが仲良くなれるといいな」 そう思うトミーでした。
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