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俺らは将来に目標を持たない未熟者だ。毎日を明確な目標を持って生きているわけではない。それでも一つ、当面頑張る目的は出来た。 「なあ、今度のテスト、勝負しないか?」 「秀一から言ってくるなんて珍しいな。もちろん構わないぞ」 お互いこいつにだけは負けたくないと思っている。もちろん、負けたら自分が悔しい思いをするからという事もあるが、何より相手のために負けられないという思いが互いの間に暗黙の了解としてある。 俺が勝てば、あいつはきっと、俺に勝とうと必死になるだろう。そうやって頑張っていくことで、お互いいつかちゃんとした夢が持てると信じて――。
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