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#8 お坊ちゃまは添い寝で驚く
結衣と聡美は私服へ着替えると、リビングでおやつタイムを楽しんで居るのであった。
「仁さん、今日のおやつ豪華ですね」
「そうでしょうか、数種類のミニケーキとマンゴーのタピオカジュースです」
「僕始めてだ、タピオカ」
「私もだよ」
驚きながらも、美味しそうに食べてくれる2人を見て仁は微笑む。
「それは、よろしゅう御座いました、お替りも御座いますのでお申し付け下さい」
2人は口の中が一杯な為、笑顔で頷いた。
「聡美、私思うんだけどさ、ただ居候してるだけじゃなく、公平をもっと良く知って、何か力に成りたいと思うんだよね」
「良い事だと思うよ、僕は公平君とゲームで繋がったからね」
「ある意味、私と公平って正反対な性格をしてる気がするんだよなぁ」
「ああ、それはあるかもね」
聡美は最後の一口を終わらすと、素直に納得した。
「ご馳走様でした」
「結衣先に部屋へ戻るね、公平君が起きたら、楽しめそうなゲーム探したいからさ」
「分かった、私は先にお風呂入るよ」
「あ~ 気持ち良かった、そろそろ公平起きたかな」
結衣は風呂上がり部屋で身支度を整えてる時に、ふと公平の事を主追い出したのだった。
「公平、公平~、起きてるか、開けるぞ」
「まだ、寝てるのか」
「公平の為になる事・・・添い寝して上げるか」
「確か下着姿で良かったんだよな、少し恥ずかしいけどしょうが無いか」
全開の事件の罪悪感からか、結衣は下着姿で公平のベッドへ潜り込んだ。
「温かいな公平は・・・私も眠く成って来た」
コンコン!
「公平君起きたかな?」
「うーん、ん? 結衣」
「ああ、公平」
「な、な、な、なんで・・・」
「公平君、起きてるかな?」
「聡・・・」
「まて、公平一応聞くけど勘違いしてないよな?」
「・・・」
「まずは、私の胸から手を話してくれるか」
「公平君、失礼するよ」
「・・・」
「結衣!公平君に跨って何やってるの、口まで塞いでるし」
部屋に入って来た聡美が、顔を赤くするも結衣を攻め立てた。
「今から説明したいんだけど、まずは公平を安心させないと、また家出されかねないからな」
「・・・」
「あああ、聡美、公平にスマホ取らせるな、梓呼ばれるぞ」
「う、うん分かった、公平君ごめんね」
結衣の話に納得した聡美は、公平のスマホを手の届かない、机へと移したのだった。
「・・・」
「公平聞いてくれ、私は胸を揉まれた事なんて気にしてない」
「・・・」
「公平が少しでも快適に、昼寝が出来る様にと思って、ベッドに入っただけなんだ」
「・・・」
「分かってくれたかな? 手を離すぞ、いいか?」
結衣の必死な説得の効果もあり、公平は落ち着き静かに頷いた。
「結衣、突然だと驚く」
「ああ、そうだよな悪かった」
「梓より大きいし柔らかい・・・後そろそろ退いて欲しい」
「な、驚くって胸かよ!」
勝手に呆れる結衣へ、聡美が釘を刺す。
「結衣、勝手にやった事なんでしょう? 公平君だって無意識なんだしさ」
「分かってる、まぁ小さいと言われるよりは良いか」
無理やり納得した結衣は聡美の胸を見つめた。
「公平君まで、何で僕を見るのよ~」
「公平、この事は梓に内緒だからな」
「なんで?」
「梓に小さいとか言うと機嫌悪くするから、女心を解ってやれ」
何とか公平の口止めにも成功し、取り敢えずは胸を撫で下ろすのだった。
「分かった」
「良かった、無事に話は終わったようだね、公平君一緒にゲームやらないかい」
「ごめん聡美、宿題しないと行けないから」
「ああ、それなら3人でやろうよ」
「良いよ」
公平は今までの事は忘れ、快く快諾をしたのだった。
宿題を始めて40分
「終わった」
「僕も終わった」
「早いな2人共」
「結衣、俺と聡美は夕食に行く」
「私も行くよ、残りは食べたらやる」
3人は部屋を出るとリビングへ向かうのであった。
『頂きます』
「公平は寝てる時、凄く温かいんだな」
「梓もそれ、喜んでくれる」
「そうなんだ」
「所で、公平は強いのに普段は力使わないんだな?」
「身を守るために覚え物だからね」
「そうなんだね、公平君は昔何か有ったのかな?」
「・・・」
「ああ、御免ね変な詮索しちゃったね」
「良いよ、余り良い話では無いから、言いたく無いだけ」
「うん、分かった」
「ご馳走様、先に風呂入って寝るね」
「ああ、お休み」
「公平君、お休み」
先に食事を終わらせた公平は、リビングを出ていったのだった。
翌朝もお決まりの様に梓が迎えにやって来た。
「お早う御座います、仁さん」
「お早う御座います、梓様」
「公平~ 行くよ」
「うん、行ってくるね」
「いってきまーす」
「いってきます」
「皆様、いってらっしゃいませ」
今日は4人揃って玄関を出て行く、それを微笑ましく感じながら、見送る仁であった。
「もうすぐ期末テストだね」
「うん」
「そうかぁ、今年も後少しなんだな」
「公平君や梓君は、クリスマス何かしてるの?」
「俺は特に何も無いよ」
今朝の登校は穏やかな会話で順調に進んでいた。
「家も姉さんが高校の寮に行ってから、何もしなく成ったな」
「梓君はお姉さんがいたんだ」
「うん、杏って言うの」
「そうか、正月には会えるのかな」
「残念ね結衣、帰って来ないみたいよ、面倒とか言ってた」
「そうか、何時か機会が有ると良いな」
「さぁ学校よ、今日も頑張りましょうね」
「うん、梓がいれば大丈夫、結衣と聡美も大丈夫だよ」
「ああ」
「有難う」
4人は上履きに履き替え、教室へ向かうのであった。
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