小林先生のハンディキャップ

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小林先生のハンディキャップ

 腑抜けたように広がる青空。  脳天気に透き通っていて、その爽やかな青にまた、腹が立ってくる。  空は青いなあ、世界は平和だなあ。  なのにどうして僕はこんなに、みじめなんでしょうか。 「うっわ、きったね! 鼻血出てんよ、ホーケーくん!」 「やあだあ! 刺激強すぎちゃったんじゃないの、童貞には」  ぎゃははは、と低俗な笑い声がじんじんと痛む後頭部に障る。  僕はヘラァと笑ってみせて、起き上がろうとしたけど目が回ったので力を抜いて、ごん。  また後頭部を地面に打ちつけてしまった。 「あー、なーにやってんだよ、知らねえけど次の授業遅れんなよー?」 「そのカッコで教壇立ったら生徒に笑われちゃうよォ、センセ。ちゃんと着替えて来てねえ?」  そんな声を浴びせて二人は僕を置き去りにして教員室の方へ帰っていきました。  もうそれでいいです。  ほっといて、くれるのなら。  多くは望んでいません。  僕はようやく安堵のため息をついて、ためらいもなく地面に手のひらを押し付けて泥まみれになってしまったワイシャツをまとった貧相な身体をなんとか、起こした。
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