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「低次元すぎて笑けるわ」
「あのね、僕は……」
何と続けるのが正解かも分からずに、仕方なくよろよろと立ち上がるのを明智はただ見ていた。
手を貸そうとか差し伸べようとはしないその態度が、かえって僕を冷静にさせた。
「いや別にいいから。見たら分かるわ、んなもん」
「今、授業中だよね? なんで君はこんなところにいるのかな」
「その状況でよくもまあ先公ぶったこと言えんね。すげえな、あんた」
と明智は笑った。
ひしゃげた眉毛がようやくちょっと子どもっぽくて、それにどこか安心してしまう。
「先生だからね、一応。で、なんで授業出ないの」
授業中の人目につかないはずの新棟の裏の花壇脇、という計算され尽くした場所で、生徒なんかに出会ってはいけない。
とはいうものの、学校というところは生徒教職員業者、常に誰に見られていてもおかしくないところなので、僕のこの状況も、本当は皆知っているのだ。
少なくとも教員は全員が、知っている。
知っていて見ないふりを、している。
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