形勢逆転、フルボッコ

2/2
前へ
/78ページ
次へ
(魔女………倒す) 上空の魔女を睨み、狙いを定めると、人狼の足元の地面が急にへこむ。 大地を蹴った反動で起こった現象だ。 そのままジャンプすると、西の魔女目掛けて、弾丸並みの速さで急上昇し、彼女は大きく拳を引いた。 「あわわわわわ!、なんて速さだい!、これじゃあ、魔法の発動前にっ!ぎゃあああああああ!ぶへぇっ!」 思い切り入った右フック。 その拳はまるで、魔女の頰に吸収されるかの如く、めり込み捻れ、顔が大きく崩れると同時に、入れ歯がボロボロに砕けながら口から溢れる。 そして右フックが決まった直後、既に白目をした気絶中の相手に、人狼は、その握りしめた拳を振り上げると、容赦なく敵の頭目掛けて叩き付けた。 そのまま魔女は目にも留まらぬ早さで急降下。 ドスン!と大きな音が鳴り響き、魔女が墜落した場所に砂煙が舞い上がると、地面には1メートル程の深さがある、魔女の大の字の身体でくり抜かれた穴が出来上がっていた。 「ははーーー!、カイルの奴!やりやがったなーー!」 ドレッドは、ただでさえ重苦しそうな鎧をガシャガシャと音を立たせて、飛び跳ねながら喜ぶ。 「正確にはカイルじゃなくて、カイルが召喚した、あの狼男の方だけどね………」 エレナの方は、呆れた様子で、ジト目をしながらカイルを見ていた。 スケルトンも全て片付けた後のようだ。 「俺Tueeee!………いや、あの子がチートなだけだが………っでも、そんな強え奴を召喚した俺ってやっぱTueeee!」 「さて!兄弟達よ!。西の魔女も倒した事だし!。冒険者ギルドで報酬たんまり頂いてから、酒場で美味いもん食いまくって、朝まで飲み明かそうではないか!」 「それもいいけど、あたしその前にシャワー浴びて来るわ。シオンも一緒に行く?………ってあれ?シオン?」 ……シオンの姿が見当たらない。 俺は周囲を見渡してシオンを探す。 普段は構ってちゃんキャラで、さっきから大人しいと思えば、あいつ何処に行ったんだ?。 不思議に思ったドレッド兄さんも、辺りを探し始めたその時。 「きゃあああ!!!」 「どうした!エレナ!」
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加