35人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は冒険者になると決めたその時から、冒険者には欠かせないクラスの存在に関して、猛勉強した経験がある。だから今俺の手の甲で光り続けている、この刻印をしっかりと確認する事が出来れば、何のクラスになったのかがわかる。
勇者……俺のクラスはシオンと同じ、勇者の筈だ。
そう自分に言い聞かせる。
自分で言うのも、割と恥ずかしいし、兄さんやエレナには内緒にしていたが、俺はずっと勇者に憧れて来た。
それにクラス習得の前兆が発生する前、俺は嘗て自分を救ってくれた英雄である彼の姿を想起したんだ。
………それは間違いない。
光が次第に弱まって行くと、血のように赤い文字で描かれた刻印が姿を現した。
それを見て俺は驚きを隠せず、大きく目を見開く。
─────これは!
まず刻印には魔法陣が描かれており、その中に獣である狼のような存在が、口を大きく開き、こちらに牙を見せているような姿が刻み込まれている。
「まじかよ………」
そして俺は、この刻印が意味するものを確信した。
「間違いない………この魔法陣と獣を象った刻印」
────俺のクラスは「ビーストサモナー」だ。
最初のコメントを投稿しよう!