朝に弱い彼女

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同棲して一週間。彼女である夕夏は朝が苦手な事はこの一週間でよくわかった。俺が朝食を作っている間もベッドで眠っている。いい加減起きないと間に合わなくなる。 「おい、夕夏。起きろー」  俺が呼んでも返事が返ってこないのを考えると、二度寝しているに違いない。俺はコンロの火を止め、皿に目玉焼きをのせてから夕夏の寝ているベッドに向かう。案の定眠っていた。 俺はベッドに腰掛けると、夕夏の前髪をいじりながら声をかける。 「夕夏、朝食出来たぞ」 「ん~……もうちょっと~」 「遅刻するからダメ。ほら起きろ。髪梳かしてやるから」  夕夏を無理やりに身体を起こして俺は夕夏の髪を梳かし始める。丁寧に梳かしているとまた寝そうになる所に俺は頭をガシッと掴むとわしゃわしゃと髪を乱す。それで頭が揺さぶられたのか夕夏が文句を言ってくる。 「春希、揺さぶらないでよ」 「起きないお前が悪い」 「もうわかった、起きるから揺さぶるの止めて―」  そんな可愛い事を言っている夕夏のぼさぼさになった頭を手で撫でながらゆったりとした時間を過ごすのであった。
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