±

1/1
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

±

私の名前は杏奈。貧乏である。お金がない。 お金がないと大変なものである。 自分の好きなものが買えない。小さいマンションに住まないと家賃が払えない。洋服が決まったものしかない。ご飯は白ごはんと卵でどうにかする。友達と遊びに行くのにもお金がないから行けない。 私は高校に通っている。学校に行くといつも通り 『おはよー』 とみんなが挨拶してくれる。 『ねぇねえ杏奈、今日学校終わったら遊びにいこ』 と友達が誘ってくる。 『あーゴメン。今日用事があるからさ』 『そっか。残念。っていうかさ、誘ってもいっつ  も断るよね。いつも用事って言うけどさ、何の用  事なの?』 『それは…言えない。』 『は?なにそれ。もういい。もうあんたと一生遊ば  ないからっ!』 こんな感じなことが小・中・高といつものように言われてきている。いつも言われているせいか、1人であることに慣れた。慣れたけどやっぱりつらい。 本当は友達と遊びに行ったりしたい。 これも人生なんだなと思う。来世ではちゃんとお金持ちになって優雅な暮らしをしたいなどと思う。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!