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「うっ! いっっー・・・」
やはり、痛い。ほんのちょっとの休息で治るはずもないが、立ってるだけで、ズキズキと激痛が襲ってくる。
それでもなんでも、とにかく進まなくては。
よろよろバランスを崩しながらも彼女は走りだした。闇に取り込まれまいと、必死に必死に気力を振り絞り、先へ先へと。
所が、少しして。
「きゃっ!」
小さな悲鳴を挙げると同時に、彼女がその場から忽然と消えてしまった。
まるで暗黒と同化したかに、姿が見えなくなってしまったのだ・・・。
数分が経ち、彼女が消えた辺りに、無数の光りが。
やがて、2人3人と男達の声が聞こえ、懐中電灯を手に、ぞろぞろと現れた。
彼女が逃げていたのは、この連中のようだ。
見るからに怪しく、この夜の闇に溶け込むかに、揃って黒の装束を纏い、おまけに奇妙な面までつけている。
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