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そして次の日、東京に帰りサラサと2人で「ユウキサラヤ」に着いた。
サラサは初めてこの店に来て食事を楽しみにしているようだったが事の重大性を知る由もなかった。
扉を開くといつものようにドアベルが軽やかに店内を包んだ。
ちょうどレジには父親が立っていた。
「おお、お帰り、久しぶり...元気だったか?
たまには顔を見せなさい。」
昨夜の若かりし父親を思い出しニヤついた。
「ただいま...うん元気にしてる。
皆んな元気でしょ。
今日は友達連れて来たの。
紹介するね。
小師 美矢さん...
今日 初めて来たと思う。」
「こんにちは、小師 と言います。
お食事楽しみにして来ました。
宜しくお願いします。」
サラサが挨拶をすると父親の顔がみるみるうちに蒼白になって行った。
「父さん大丈夫?
具合でも悪いの?
顔色悪いよ...」
やはり何かある...わたしは思った。
「いやいや、チョット疲れてんのかな...
ちなみに、あなたはあの...
タレントさんじゃないよね...
サララさん...だったっけ?」
「へえ~、父さん知ってんの?
ファンだったりしてサララちゃんの事...
以外だな...知らなかった。」
ちょっとだけ意地悪した。
「ファンって言うか...
随分前に一度会ったことがあるから...
しかし髪型変えれば顔の造形とかソックリじゃないか...
あの娘に。
え~っと、コモロミヤさんって言ったっけ...
ミヤさんかぁ...
ああ...立ち話も何だから、どうぞお好きなテーブルへ...」
昔 サララに会った事あんの?
やっぱりミイさんに起こった何かを知ってる?
わたしは色んな可能性を思い描いていた。
食事が済んでコーヒーを飲んでいると母が血相かいて店に飛び込んで来て、わたし達のテーブルに滑り込むようにして座った。
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