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地下室にて
わたしは暗闇の中に佇んでいた。
さっきまで子供たちの声が響く公園のベンチに座り話し合っていたはずなのに...
「あれってシルシだよね...」
サララが白猫のいた方向を指差した瞬間だった...
最初は屋内なのか屋外なのかすら分からなかったが、かび臭く湿った空気が私の口元に漂っていた。突然明るい場所から暗闇の閉ざされた様な空間にスリップしたので本当の黒の闇だった。身動きせずに目を大きく開いたり細めたりして少しの光を探した。
すると微かな音が聞こえて来た。
「パン...パン...パン...」
何かを叩くような規則正しい音だ。
そして周りの状況も薄っすらと見え始めて来た。
何かが動いている...
わたしは全て理解した。
男性が女性の後ろから腰を振っていた。
2人とも全裸で女性の肌は雪のように白く浮かび上がり頭を垂れて闇の中で押されていた。
わたしは座り込み何でこんなトコにいるのだろうと胸の疼きを感じながら考えていると、パン、パンと言う音は激しさを増し男の声が漏れた。女性はその激しさで四つん這いからうつ伏せに倒された。
暫く薄暗い闇と沈黙が流れたが、わたしはもう殆どこの部屋の隅々が見れる様になっていた。窓のような物は一切なく大きな扉とセミダブル程のスプリングベッド、その脇には机と椅子が2脚、その先には小さな引き戸タイプの扉のような物が見えた。後は何も置かれていない棚が2つある殺風景な部屋だった。
床はコンクリートなのか固く冷気が漂っていた。
男は立ち上がりながら、
「ミヨさん、もう少し身体を開いて楽しんでくれよ。
私は最高に感じているしこの世の天国を味わっているのに...」
すると男が声を上げた。
「あっ! 何だ、生理か! 出血してる。
ああ〜興醒めだな!」
男はティッシュペーパーで股間を拭った。
「もう勘弁して下さい、お願いです。
許して...」
蚊の泣くように女性は哀願した。
よく見ると女性の両手は後ろ手で縛られていた。
これは...ただ事ではない状況、しかも...
男が放った言葉が爆風のようにわたしに襲い掛かって来た。
「ミヨさん...」
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