さいしょに、もどる

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 むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。  おじいさんは山へ柴刈りへ、おばあさんは川へ洗濯に…行くこともなく、大きなお屋敷で桃太郎という男の子と、犬、猿、(きじ)、そしてたくさんのお手伝いさんたちに囲まれて、ぜいたくに暮らしていました。 「それもこれも全部、桃太郎のおかげだからねぇ。たんとおあがり」  にこにこしているおばあさんが出しているご飯は、お手伝いさんが作ったごちそうです。 「ありがとう。おばあさん、おいしいよ」 「ほほほ。桃太郎はいつもそういって食べてくれるいい子ねぇ」  桃太郎は、語彙力(ごいりょく)が足りませんでした。  犬、猿、(きじ)が食べているご飯も、普通の人間の食事よりずっと豪華です。  彼らが鬼ヶ島の鬼退治に成功して財宝(ざいほう)を持って帰ってきてからというもの、桃太郎たちの生活はとてもリッチになりました。
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