第1章 死後の世界?ここは何処?

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大学を卒業して大手建設会社に入社して、一途に約40年勤務したこの会社も、今日が最後の出社となる。 会社に入社して大学時代から交際していた妙子と30歳で結婚する。32歳で長女を出産。35歳で2人目の娘を出産し、ここまでは幸せの絶頂であった。しかしこの幸せは2人目の娘が生まれて5年後の妻が40歳になった時に崩れ落ちる。 39歳で乳がんを発症すると進行が思いのほか早く、あっという間に8歳と5歳の娘、そして妻と同じ年齢である40歳の僕を置いて、他界したのだ。 妻が亡くなった日は、決して忘れられない、妻の40歳の誕生日であった。 子供が小さく、会社務めもガラッと変わり、子供中心の生活に切り替わる。同僚からは結婚を勧められたが、妙子を愛している僕は、他の女性と恋愛する事など出来なかった。 妻と出会うまで女性に興味が無く過ごしていたが、妻と出会って初めて女性を好きになり、僕たちは結ばれた。 大学生でお互いが初恋と言う、普通では考えられない恋愛であったのだ。 結婚式で妻を一生愛する事を誓い、亡くなって20年経った今でも妻の妙子を愛している。
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