第1章 死後の世界?ここは何処?

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初めて手を繋いだ時のドキドキ感、初めてキスをした時のドキドキ感。そして結ばれた時のドキドキ感。さらに、結婚式、誕生日、出産と様々な場面での彼女の笑顔が脳裏に浮かぶ。そんな彼女との思い出は、亡くなって20年経った今でも毎日の様に思い浮かぶのだ。 しかし、まだ小さかった2人の娘が巣立つまで、家庭中心に日々を過ごすせいで、様々なわがままを会社や同僚に訴えてきた。 大事な商談があっても、娘が熱を出して病院に連れて行ったり、娘が大きくなるまでは、お酒の席は全て欠席した。お得意様への接待であっても夜の会は欠席した。それでも、何も言わずに受け入れてくれた同僚のおかげで、今日の定年の日を迎えられる。 朝6:00 目覚ましが鳴り響き、いつもと同じ朝を迎える。 明日から何時に起きようかな? などと考えながら、リビングに向かう。 昨年、長女の咲子が28歳で結婚して、次女の景子は彼氏と同棲を始めた。 来年は景子も結婚をするのだろう。 一人になった僕は、神奈川県の一軒家を売却して、2LDKの都内のマンションに引っ越ししていた。
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