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「誕生日プレゼント、もうちょっと考えるわ」
テーブルを挟んで母と向かい合わせに椅子に座り、カレーを掬いながらヒロキが言った。
「ええ? もう今週末やで。早よ決めや」
「うん」
口の中で、ごろっと形の分かる大きめのジャガイモが転がった。大きく切っておけば、二日目のカレーの中でもしっかりと存在感を維持できる……それが中村家のカレーの作り方だった。
「どうせ、またゲームなんやろ?」
「……うん」
母はヒロキがゲームにハマっていることを快く思ってはいなかった。別れた夫から受け継いだ趣味ゆえ仕方がないこととはいえ、ヒロキからすれば「無理解」の三文字であった。
(あーあ、お父さんやったら一緒にゲームで遊んでくれんのになぁ……)
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