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道化の末
部屋の片隅で
両耳を塞ぎ
一人
孤独に酔い痴れ続けた
傷つけあうこと
恐れてるなんて
嘘を
自分にも他人にもついて
閉ざしているのは
弱すぎるからで
人に
傷つきたくないだけだと
言葉にして
弱さを嗤って
生きる
その強さすらもてなくて
涙さえも
皮膚に馴染まない
独り
乾いた笑いを浮かべた
誰かいてよ
誰もこないでよ
矛盾
心に振り回されてる
私なんか
いなくなればいい
誰か
死ぬ理由を与えて下さい
私じゃなきゃ
いなくならないで
誰か
生きる意味を説いて下さい
瞳抉り出した
穴ぼこの顔を
誰か
美しいと言って下さい
舌を抜いて
言葉を忘れていても
誰か
賢い子と褒めてください
そうじゃなくちゃ
不公平でしょう
今日も
悲劇の主人公に浸る
閉ざされた扉
その向こう側で
今日も
誰かが私を嘲笑う
固く閉ざし
隙間をなくして
それでも
何故軋み続けるのか
問いかけても
応える人なく
今日も
膝を抱えて蹲る
独り静か
誰も来ないのに
傷が増えている気がするの
どうしてかな
問いかけ続ける
今日も
暗い棺の片隅で
独り静か
いつから私の
肉は骨から離れていったの
悲しみさえ
過去のものにして
今日も
悲劇に浸り続ける
孤独な道化
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