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追憶の亡霊
特別な存在
魂の片割れ
一方通行の思慕
別れた後も当然
繋がっていると思っていた
届かない手紙
繋がらない電話
一方通行の道は塞がれて
空いた穴は塞がらず
特別を求めることも出来ずに
蹲って生きる日々
特別な存在
魂の欠片
すれ違う思い
一人に慣れて
繋がりを思い出す事もなく生きていた
届いた手紙
鳴り出した電話
急に開通された道に戸惑い
進入禁止の立て札を置く
空いた穴から染み出す淀み
特別に求められる喜びを手放し
ため息の中に生きる毎日
いっそすべてが無くなってしまえばよかった
そんな幻想を抱きながら
引きつれた傷跡を撫で
手紙を破り捨てた昨日を悔やむ
アナタの手紙一つで揺れる心は
アナタが手放した時に死んだのです
そう告げる事もなく
偽りの喜びを認めた文が届くころ
私はとうにアナタから離れ
どこにも届かないところへと
逃げてしまおうと思うのです
過去の痛みに囚われた
愚かな生き物の終焉に
願わくば
アナタが気づかないままで生きていて
それだけを
あさましくも願うのです
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