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皮被りの愛
笑顔を振り撒いて
声は少し高く
背筋はピンと伸ばして
所作はどこかやわらかく
君のために被った化けの皮
ぴたりと体に貼り付いて
メイクでとれないマスクを作り
これって誰かな？
隣を歩く他愛ない会話
別人みたいだな。なんてさ
他人事にしてしまうくらい
好みすらちぐはぐで
どろりどろり汚泥のような愛で
君の心まで犯して
隠した爪も言葉の裏も
見せないままで愛し合おうよ
強がりで涙もろくて
面倒見がよくて少し抜けてて
君が抱いた私の姿は
誰なんですか？っていいたくなるけど
賢くて優しくて
強くて少しだらしない
私が抱いた君の姿も
誰なんですか？っていいたいはずだね
どろりねばつく汚泥のような愛は
心の鏡すら曇らせて
毒を抱いた嘘を愛して
真実に蓋をして
今日も理想の皮を被って
君に愛を捧げるよ
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