boy's side

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 初めからそういう約束だった。  将来、海外の医療団での活躍を目指す君と、実家の町工場を継ぐことが確定的な僕とが、高校卒業以降も一緒にいられるわけなどなく、お互いの道を塞ぐことがないようにと僕から提案した約束だ。 「高校を卒業したら、僕たちの関係も終わりにしよう」  今になって思いだされるのは、大人ぶった僕のそんな言葉と、君の苦い顔。僕がその日以来見ていない表情だ。だから、今日こそはその表情を見れるかもしれないなんて、我儘な期待をしてしまう。  後悔をしているわけではない。そもそも僕にとって彼女は高嶺の花。高校入学直後に玉砕覚悟で告白してから、今までお付き合いを続けられていたこと自体が奇跡みたいなものだから。これ以上彼女の道の上に居座ることはできない。
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