boy's side

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 急行がまた通過する。隣で微笑む君の髪が揺れる。  僕らが乗るのは同じ路線の上りと下り。だから一緒に帰れるのはいつもこのホームまで。ほぼ同時にやってくる電車に乗って、夕日に照らされながら僕らは引き裂かれる。  身体に染み込んだダイヤグラムと構内アナウンスが僕にタイムリミットを告げる。君はやっぱり笑顔のままで、僕に背を向けた。それが僕らの、いつもの、別れの合図だった。
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