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幸せみたいなもんは、生きてるってだけで
たまにあっけらかんとやってくる。
幸せも不幸せもコーヒーに入れる
砂糖とミルクみたいなもんだ。
要は付きものなんだ。
幸せにかたちなんて、ありゃしない。
混ざってしまえば、後の祭りだな。
そんな風に俺はなんだか達観した気持ちで
レコードに聞き入るふりをして
コーヒー豆を挽く。
音が音に混じる。
かずやに聞かせたい気持ちと
自慢したい気持ちを込めて
今日はアフロビートのレコードを流す。
うんちくを軽く語って
どうこれ?最高にヤバくない?
そんな風に分かり合える人と出会えるのは
やっぱ人生で度々あることじゃあないな
なんて思ったりもする。
幸せってなんだか不意を突いてやってくる。
まるで俺の彼女みたいだ。
携帯なんて持ってない。
「家が近いからいいでしょ」って言いながら
不意にお店にやって来る。
ま、お客さんはだいたいにそう。
喫茶店が美容院みたいに完全予約制になれば
俺の彼女は、携帯を持ってくれるのか。
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