幸せのかたち 3

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幸せみたいなもんは、生きてるってだけで たまにあっけらかんとやってくる。 幸せも不幸せもコーヒーに入れる 砂糖とミルクみたいなもんだ。 要は付きものなんだ。 幸せにかたちなんて、ありゃしない。 混ざってしまえば、後の祭りだな。 そんな風に俺はなんだか達観した気持ちで レコードに聞き入るふりをして コーヒー豆を挽く。 音が音に混じる。 かずやに聞かせたい気持ちと 自慢したい気持ちを込めて 今日はアフロビートのレコードを流す。 うんちくを軽く語って どうこれ?最高にヤバくない? そんな風に分かり合える人と出会えるのは やっぱ人生で度々あることじゃあないな なんて思ったりもする。 幸せってなんだか不意を突いてやってくる。 まるで俺の彼女みたいだ。 携帯なんて持ってない。 「家が近いからいいでしょ」って言いながら 不意にお店にやって来る。 ま、お客さんはだいたいにそう。 喫茶店が美容院みたいに完全予約制になれば 俺の彼女は、携帯を持ってくれるのか。
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