幸せのかたち 3

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だいたいそんなくだらない事を考えてたら、 丁度彼女がやって来た。 俺は、 常連のかずやと彼女のれいこちゃんとの やりとりを見て ついつい吹き出しそうになっていた。 この3人は実は、合コンで知り合った3人。 あの日一緒にいたはずなのに 俺とかずや 俺とれいこちゃん 個別に意気投合して、かずやは店の常連さんに。れいこちゃんは、俺の彼女になった。 だのに忘れてるんだもんな。 笑っちゃうよ。 かずやの忘れっぽいところは サックスに持っていかれちゃってるんだろうな。 そんな風に俺は信じてる。 れいこちゃんが、"かっちゃん"とかずやを 呼ぶのも、なんだか彼女彼女してて むず痒い気持ちもそうさせて かずやが店を出て行ったあとは もう本当に声を上げて笑った。 それにしても、今日のれいこちゃんは いつもに増して派手な赤いワンピースに 真っ赤な口紅が似合って なんてゆうか、情熱の真っ赤な薔薇だ。 青春時代によく聴いたブルーハーツの 情熱の真っ赤な薔薇を君に捧げようの 1フレーズを思い出して、 コーヒーを手渡す。 俺は彼女の横にそっと腰かけて 彼女が伸ばした手をぎゅっと握る。 昔から女の子の扱いは堂々とだ。 アップテンポの曲は俺の心を弾ませて れいこちゃんに歌ってほしいとせがむ。 彼女の声は、小鳥みたいで 歌ったらどんなに可愛い声で鳴くのだろう と高校生の青春の日々が影を落として 大人になった俺は真剣に考える。 彼女を口説くために バンドやろうと、 とっさに口をついて出た言葉に 改めて名案だと思いついた。 彼女は歌えないよーといいながら 小さく口笛でハミングしている。 まるでハミングバードだ。 思わず抱きしめようか迷ったその時 「サンプラー持ってきたよ」と 近くに住む電子音楽ヲタクの 千さんがやって来た。 タイミングが良いのか悪いのか 本当に検討もつかない。 店でいちゃつく、俺も俺だが。 苦笑いしながら 「ありがとう!すげータイミング良い」 「なんて事ないよ」 俺と千さんにちょっと膨らました頰で 真顔に戻るれいこちゃん。
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