幸せのかたち 3

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れいこちゃんと店を閉めてから、 れいこちゃんの家までゆっくりと歩く。 喫茶店から、れいこちゃんの家までは 一駅ほど離れた距離だ。 夕方のむわっとした、それでいて 少し涼しく感じる風を受けながら 夜の気配に包まれる。 2人の歩くスピードはどこまでも どこまでもゆっくりで 2人の影が長く伸びるのを じっくりと見ながら 一歩また一歩とビートを刻む。 会話は敢えてせず、俺たちは 鼻歌を歌いながら くすくす笑い合って歩く。 れいこちゃんの鼻歌は、 和田アキ子の 笑って許して のチョイスだ。 笑って許して の歌い出しに 俺が、れいこ!と合いの手を入れて 俺たち2人はキラキラとした無邪気な笑顔で 目を見合わせて笑い合った。 そんな夏の夕方の一日は、今では闇に包まれ 夜が始まろうとしている。
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