幸せのかたち 3

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至福の時間、至福のひと時が終わって、 いや終わりきれずに へべれけに酔っ払って、朝陽を浴びながら 俺達は車通りもない、人通りもない 道路に座りこんでいた。 ガラガラガシャー スケボー少年達はみんなでスケボーを 始めだす。 「酔ったーーーー!」 お酒に酔っ払ったうえに スケボーで酔っ払って、 ゲロを吐き出すやつもいる始末。 夏の暗闇が訪れて、暗闇が去り さんさんと降り注ぐ太陽に 蝉のミンミンと叫ぶ声に 瞼なんて半開きで道路に寝転んでいる かずやを脇目に、 れいこちゃんは取れかけた化粧を 直しだした。 赤いワンピースが夏の朝陽に照らされて 火照った身体を汗がつたう。 俺は、汗でビショビショになったTシャツを 脱いで、ギュッと絞る。 道路には俺の汗がボタっと落ちて 一瞬でジワっと道路に染み込んだ。 ポタリ ジュワッ 夢ともつかない現実の早朝6:00すぎ頃 俺達は夏の太陽に溶け出していた。 幸せにかたちなんてない。 あっても人それぞれだ。 そんなこんなで時間は止まらない。 こんな真夏の一日は、続いていく。 バンドの話はまたシラフの時にでも ゆっくりしようと考えて、 俺は片手を高く伸ばして太陽の方へと むけた。 モーニングの仕込みの時間だ。
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