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悲劇
「きゃー!」「逃げろ!」「妖怪が来たぞ!」「来るな妖怪!」「やめてー!」
-様々な奇声が聞こえる-
その中であと一歩で殺されそうな1人の女性が言った
「お願いします。どうか紅、この子だけは殺さないで!」
-腕の中で抱いている黒髪の桜色の目をした紅と呼ばれる赤子を見ながら-
……ザシュッ
切られる音がする。
たちまちその女性の首から血が溢れ出す。
赤子-美桜-はそれを見ても何も言わない。
亡き母を切った妖怪に笑う。
「ほう。面白い。紅といったか……今は殺さないでおく。お前が15になったら迎えに行くそれまで待っておれ。」
そう言って紅に桜の印を目に入れ込み村から仲間と共に去っていった。
〜数時間後〜
『酷い有様だ。もっと早く着いていればこんな事には……』
襲われた村に着いた体格の良い1人の男が言った。
「隊長……」
『さっ、早く亡骸を埋めてやろう。』
「「「「「「はい!」」」」」」
〜
-「おぎゃー」どこからか声が聞こえる。-
「隊長!生存者1人発見しました」
走って近づく。その赤子を見て言った。
『よくやった!この赤子は俺のところで育てよう』
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