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少し遅れて教室に入ってきた担任の先生が、教壇に立って、私たちに挨拶をする。
「みなさん、今日からよろしくお願いします。
私は、皆さんの担任をする有栖川姫乃です。」
そう言って、手に持ったチョークで黒板に自分の名前を書いていた。
その間、男子生徒達の
『すげぇかわいいじゃん。』
『めちゃスタイルいいじゃん。』
『カレシいるのかな?』
『アリスガワって、不思議の国のアリスガワなんじゃないの?』
『いやいや、地名のアリスガワなんじゃないの?』
『かわいいのレベルを超えたかわいさな。』
と、聞こえるレベルの小声で囃し立てる。
・・黒板から振り向いたアリスガワ先生は、男子生徒のその言葉に、コホンと咳払いをしてから、
「男子生徒のキミたち、私が可愛いのは認める。
それは当たり前なのだ。
だって、私は可愛くてスタイル抜群だから。
参考までに、私の卒業した教育大学では、私は三期に及んでミスユニバーシティだったのだから。
でも、キミたちのそれはセクシャルハラスメントにあたる。
そして、仮にも私は教師でキミ達は生徒だ。
私が訴えれば、キミたちは登校初日にして退学と言う憂き目に遭うことになる。
今後、その様な発言を慎むか、それとももう学校に登校しないか、どちらかを選びたまえ。」
そう言われた、男子生徒達は、言葉を失い、バツの悪そうな顔をしていた。
見た目と反して、そのトゲトゲしい発言にはかなり驚いていたんだけど・・
・・だがしかし、右斜め横の席のユウカの視線が、何故かうっとりしているのが見える。
・・ユウカ、キミはキミが可愛いと認めるオンナなら誰でも良いのか・・。
アリスガワ先生・・
男子生徒だけではなく、一部の女子生徒にもそれ言った方が良いんじゃないでしょうか・・。
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