赤い砂と銀の糸

4/39
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
 心を映し出したような真っ暗な空が広がるその夜――シンは、生まれて初めて人の命を奪った。  どんなに拭っても決して消えはしない血の匂いに涙し、崩れ落ちてしまったアイリスの墓にもたれかかる。 「ごめんアイリス……」  小さな呟きに、返事はない。  現実から逃れるように、シンはそのまま眠りについた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!