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私は今、ホテルを渡り歩いて生活をしている。最初はアパートを借りていたのだが、借りるのも面倒だなと思って、家を解約し、住所不定となっている。
ネットカフェやカプセルホテル、多くのホテルに泊まってきたが、給料間近でお金がなくなる事態になり、どうしようかと、悩んでいると、街である広告を見つける。
「0円で泊まれるホテル?」
不信に思いながらも一縷の望みをかけてそのホテルに向かう。
徒歩10分ほど歩いて着いたホテルは古めかしい感じにさらに不信感がつのる。しかし中には言ってみると、そこまで汚い感じはなく、むしろ綺麗だ。フロントには男性が一人がおり、私は声をかけた。
「あの、すみません」
「いらっしゃいませ」
「すみません、予約はしてないんですけど、広告で0円で泊まれるって見てきたんですけど」
「はい。ございます。やっていただける方のみにお願いしております」
その説明では何かをやらないと0円にならないらしい。その説明を最後まで聞いて私は納得する。
そして部屋に行き、フロントの男性の話に沿って準備を進める。準備も済み、男性が出ていく時に一言。
「では、本日限りのYouTuberをお楽しみください」
そして扉がしまった。
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