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「ま、いいや。今更そんなことに興味はない。胡散臭いオカルトもたまには信じてみるもんだよね。まさか、あんな化け物を従えることができて、あっという間に憎い奴等皆殺しにできるんだもん」
恍惚した表情で、麻弥が私の目の前でしゃがみこむ。
そこに居るのは、本当に麻弥なのだろうか。声音も言葉遣いも、私が守ってあげていた彼女とは似ても似つかない。
私は、麻弥のために必死に走ったのに……。なぜ、こうなってしまったの。
「うふふ、いい気味。安心して、沙月ちゃん。あなたを殺しはしない。私は自分の手は汚したくないしね。……まぁ、杏奈と委員長はちょっと手が滑って殺しちゃったけど、二人くらいなら神様も許してくれるよ」
麻弥は狂ったように死んだ目で笑いながら、私の手に握られた鍵を取り上げた。
あぁ、それが無ければ外に出られないのに。返して、返して……。
私の麻弥を、返してよ化け物……!
「沙月ちゃんはこれから、お楽しみコースに案内してあげる。死にたくても死ねない、最高の場所に連れて行ってあげるね」
「……ま、や」
「この復讐、私の勝ちね」
頭のおかしいクラスメイトは、みんな死んじゃったもんね。
全ての支配者であり、唯一無二の勝者は、罪に汚れた手を掲げて満足そうに笑っていた。
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