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自分より背の高い神山の頭をなでながら香川の話は続く。
「何が不満なの」
「…あいつと、寝てるから」
「お前のせいだろ?変な薬ばらまいて。俺の同僚にまで手を出して何やってんだ」
寝室から二宮の喘ぎ声が聞こえる。
「ほら、一人で始めちゃった。どうするの。お前ヤる?」
言いながら神山のネクタイを直す。
「今夜行くから、待ってて」
「いや、来ないでくれ」
香川の顔をじっと見る。
「まだ逃げる準備できてないから」
「勘のいい奴」
突入して一網打尽するつもりの心を読まれて苦笑いしかできなかった。
「裏切り者」
ぽつんと呟いて部屋を出ていく神山を見送って寝室に戻る。
「みんな可愛いなあ」
下衆い笑いを浮かべてもう一度服を脱いだ。
「どこ行って…ああ!」
自分でしごいている手を振り払って指をねじ込んだ。
「大丈夫、必ず治そうね」
「は‥、あ…急に‥‥」
そろそろ記憶も戻ってきたようだし、この辺が潮時かと思いながら香川は指を激しく抜き差ししていた。
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