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2発の銃声が聞こえた。
俺のとなりで人形を調教していた人間が頭から血を吹き出して倒れる。
次に銃口を向けられているのはカミヤマユウらしかった。
「…なんの冗談だ」
「だから言ったろ?俺はまだ良心があるって」
後ずさりしたカミヤマの足が当たる。
「同僚をこんな廃人にしたから怒ってるの?」
視界がぼやけてよく見えないが、カガワに銃を突きつけられたカミヤマが動揺しているみたいだった。
もう一度銃声が聞こえる。
俺の横にドサ、と体が倒れてきた。
「佑も銃持ってただろ。撃てばよかったのに変な情出して…。悪党失格だ」
もう何も聞こえていないだろう死体に話しかけている。
なにか焦げ臭い。
「二宮さん、病院行きましょう。あなたなら助かるかもしれない」
裸の俺に適当に服を着せて抱き上げられた。
状況はなんとなくわかるが、俺の体が欲するものは心地よい刺激だけ。
「ねえ‥、さわって。ここ…」
「これ以上は死にますよ。とにかくここを出ます」
パトカーの音とすれ違った気がした。
車に乗せられてどこかに運ばれる、その辺までは覚えている。
次に気がついた時は病院のベッドの上だった。
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