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「あいつの遊びは知っていたけど、俺にどうしたらいいんですか、こんなの」
知らない人の声が聞こえる。
「どうしたらいいって、治してくれって言ってるの」
カガワリクの声。
体が動かない。拘束されていると思う。
それを理解する程度には自我が戻ってきた。
「今はどんな感じなんです?」
「名前を聞くとオモチャと答える。後はひたすらセックスかオナニー。それをまず止めないと死ぬんじゃないか?」
「カ…、ガワ」
中途半端に刺激を止められるのは嫌だった。
「え、二宮さん?わかりますか?」
「さわって…。俺を犯して。オモチャになるからぁ‥さわ…」
残念そうなため息が聞こえる。
「こんな状況です先生」
「だから、壊れた脳は治らない。こんなの無理だ」
「…ダメっ、あああ!」
物理的な刺激がないまま、俺は何度も絶頂できるまでになっていた。
「勝手に空イキまでするんですよ。何とかならない?」
「治すのはあきらめてくれ。死なない程度に抑えることしかできないよ。でもその処置をしたら、数日後には心臓が止まる。ここで判断はできないしご家族に説明して了承を得なければならない。お前の犯罪もバレる」
「…わかった」
拘束着がはずされた。またふわふわと浮いている感じがする。
「あなたは誰ですか?」
この質問はアレの合図だ。答えれば気持ちよくしてもらえる。
「オモチャ‥、オモチャ…」
「最期は人間に戻してあげたかったんですけどね」
俺の記憶はそこまでだった。
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